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オヤスミペロ [ペロ]

私たちが探し求めていた二足歩行の知能を有した生物を2百万光年先のこの星に見つけた時の喜びはとても言い表す事など出来ない。

しかし、彼らとのコンタクトは慎重さを必要とした。彼らを恐れさせてはいけない。彼らは恐れを抱くととても野蛮で攻撃的になる事を私たちは長年の観察によって理解していた。
慎重に慎重を重ね、私たちが友好的である事を彼らが理解した。そう判断した時、私が代表してこの星に降り立つ事となった。

私はとても緊張していた。彼らは本当に恐れを抱いていないのだろうか。彼らはその知能に較べて感情は複雑である事も私たちは理解していた。にこやかな笑顔の裏に隠された恐れ、怒り、憎しみ、その他諸々、それら全てを読み取る術は私たちでさえ持っていなかった。

この星に降り立ってからしばらくののち、私は猛烈な睡魔に襲われていた。何も気が抜けているわけではない。極度の緊張がこの所の私を睡眠不足に陥らせていたためだ。
そしてこの星の気温の高さが私の体力を奪っていた。ただ今この星史上最悪の猛暑に襲われている事を恨めしく思った。

ちょっと横になりたい。エアコンと呼ばれるマシーンが私が今いるこの部屋の温度や湿度を丁度いい塩梅に調節している中で私の眠気はピークに達した。
私は仮眠を切実に願った。しかしそれは許されなかった。この星の代表との会談がもう間近に迫っている。

ただ、この星の時間での10分、いや5分…やっぱ15分横になって静かに目を閉じていたい。もしそれが可能ならば私の体力は回復し、思考も格段と明晰となるであろう。そうなればこの会談はとても素晴らしい成果を上げられると私は確信していた。

私の意識が朦朧とする中、四足歩行の小動物が私のいる部屋に入り込んできた。どうやら扉が閉まり切っていなかったらしい。
確かこの小動物はイヌ?そうだこの星でイヌと呼ばれている生き物だ。その未熟な動作から推察しておそらくまだ子犬だろう。厳しい目つきをしているがそれも愛くるしく思える。
「ペロー、おーいペロやーい、どこだーペロー。」
部屋の外では皆がこのイヌの行方を探しているようだ。そしてこのイヌはペロという名前らしい。

ペロは私の座っているソファーに飛び乗り私を見上げ数秒凝視したかと思うと大きなあくびをした。そうして身を丸め眠りの体勢に入るとあっという間に寝息を立てた。
その寝付きの早さに私は「お見事!」と心の中で喝采を送った。

5分でいい、10分なら尚の事、なんなら20分25分、私も仮眠したい。そう思う刹那私の意識は途絶えた。意識が途絶えた事も意識出来ないほど私の寝付きも早かった。

眠りについてからどれほどの時間が経ったのだろう。数分なのか数十分なのか、誰かが部屋に入ってくる気配を感じた。何か私に話しかけているようでもあったがそれでも私は起き上がる事は出来なかった。
しばらくして私の上に何かふわっとして肌触りのいい布がかけられ、部屋の明りが消され、そっと扉が閉められた。
私はその心遣いに感謝した。あと1分、いや5分、10分、20分のちに私ははっきりと覚醒するだろう。そして私たちの星とこの星の友好的関係が結ばれる事は間違いない。この星の住人の優しさに触れた今、私はそう確信している。

私の覚醒はもう間近であった。しかし隣で聞こえるペロの小さな寝息はとても心地よく私の更なる仮眠を促すのであった。
ありがとうペロ、そしておやすみペロ。


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